あらすじ・解説『ミスト』救いのない鬱映画?!クリーチャー一覧も紹介

制昨年2008年
制作国アメリカ
監督フランク・ダラボン
主な出演者   トーマス・ジェーン
マーシャ・ゲイ・ハーデン 
ローリー・ホールデン
上映時間125分
総合評価8/10

1.作品概要

スティーブン・キングの中編小説『霧』が原作。

監督はキング原作の『ショーシャンクの空に』(1994)や『グリーンマイル』(1999)を手掛けたフランク・ダラボン

霧の覆われた町を襲う異形の生物に恐怖する人間を描いた作品。

救いのないラストから、『セブン』(1995)や『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)と並ぶ、屈指の鬱映画と称される。

2.主な登場人物

デヴィッド・ドレイトン(トーマス・ジェーン)

The Mist (2007) – HD Trailer – YouTube

本作の主人公で画家を生業としている。

嵐の後、息子のビリーとスーパーマーケットを訪れた際に恐怖に巻き込まれる。


ビリー・ドレイトン(ネイサン・ギャンブル)

The Mist (2007) – HD Trailer – YouTube

デヴィッド8歳の息子。


アマンダ・ダンフリー(ローリー・ホールデン)

The Mist (2007) (imdb.com)

街に越してきたばかりの新任の教師。ドレイトン家とも馴染みがあり、スーパーマーケット内ではデヴィッド達と行動を共にする。


オリー・ウィークス(トビー・ジョーンズ)

The Mist (2007) – HD Trailer – YouTube

スーパーマーケットの副店長。

終始デヴィッドに協力的な立場を貫く。射撃の州代表になった経験があり銃の扱いに長けている。


ブレント・ノートン(アンドレ・ブラウアー)

The Mist (2007) – HD Trailer – YouTube

デヴィッドの隣人で有名な弁護士である。過去に敷地境界を巡りデヴィッドとは裁判沙汰になったこともあり、折り合いが良くない。

デヴィッド達の「霧の中に化け物がいる」という話を信じず嘲笑した。


ミセス・カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)

The Mist (2007) (imdb.com)

宗教おばさん。町では変わり者呼ばわりをされている。

スーパーマーケットでの怪物の襲来を「終末」、「神の裁き」と主張する。

当初は誰も彼女の話に聞く耳を持たなかったが、次第に信者を集め、神の怒りを鎮める「生贄」を差し出す狂気に人々を扇動する。

3.あらすじ

激しい嵐に襲われた翌日、町は霧に覆われていました。

デヴィッドは息子のビリーと隣人のブレントと共に、スーパーマーケットに買い出しに向かったが、霧の中から血を流した男が「霧の中に何かがいる!」と叫びながら逃げ込んできました。

多くの客は男の話に半信半疑でしたが、狂信的な宗教家のミセス・カモーディは「遂にハルマゲドンが来た」と人々を煽ります。

ひとりの女性が「家に子どもを残してきたので家まで送ってください」と懇願しますが、人々は自分の身を案じ、彼女の頼みを断ります。それはデヴィッドも同じでした。

人々の態度に失望した女性は「みんな地獄へ落ちて」と吐き捨て、一人で店を出て子どもの待つ家に向かうのでした。


その他大勢の人々は身動きが取れず、スーパーマーケットに閉じ込められる形となりました。

デヴィッドは息子のビリーに毛布を用意しようと、店の倉庫に行きます。彼は機械室の発電機がショートして煙を発しているのを見つけ、電源を切りました。これにより店は停電状態となります。

そんな中、デヴィッドはシャッターを揺らす”何か”に気づきましたが、他の男たちは「気のせいだ」と反論し発電機の故障の原因と考えらる排気口の詰まりを取り除こうと外に出ようとします。

「外は危ない」、「何もいるはずはない」。そんな問答を繰り返し、若い店員のノームが外に出ますが、大きな触手に掴まれ連れ去られてしまいます。

The Mist (2007) (imdb.com)

デヴィッド達は店内の客にすぐさまこの事実を伝えますが、誰も彼らの話を信じません。

しかし夜になると、次々と巨大な昆虫や鳥のような怪物が襲来。スーパーマーケット内に侵入し、人々を襲うのでした。

The Mist (2007) – HD Trailer – YouTube

夜ごとにスーパーマーケットを襲う未知の怪物におびえる人々。

次第にこの事態を聖書になぞらえ、人々を扇動するミセス・カモーディの狂信的な発言は人々の支持を集めます。

「神の怒りを鎮める生贄」の必要性を説くカモーディ。

デヴィッド達はスーパーマーケットからの脱出を試みるのでした…

4.解説 ※ネタバレあり

クリーチャーの正体とは

突如、霧の中から現れたクリーチャーですが、店内にいたジェサップ二等兵によりその正体が明らかになります。

それは軍が科学者と共に秘密裏に“異次元につながる窓”を観察しようと進めていた「アローヘッド計画」が原因でした。

嵐が原因で異次元への窓は扉に変わり、この世にいてはならない怪物たちが流入してきたのです。

クリーチャー一覧

「アローヘッド計画」により異次元から流入したクリーチャー一覧です。

大きな触手を持つ生物

The Mist (2007) (imdb.com)

作中で最初に登場したクリーチャーでノームを連れ去った。全体像は不明だが、触手はトゲが覆われ、裏には鋭利な牙を持つ口のような器官がある。

デヴィッドが斧でその先端を切り落とす事に成功している。


飛行する巨大昆虫

TOP 10 CREATURES From THE MIST – YouTube

光に誘われスーパーマーケットの窓に無数に張り付く、イナゴ+サソリ+トンボのハイブリットのような生物。

物理攻撃で駆除する事が可能。但し、毒を持っており、尾の針で刺された店員のサリーは顔が腫れあがり死亡した。


巨大鳥類

The Mist (2007) (imdb.com)

スーパーマーケットの群がる巨大昆虫を餌とする鳥のような生物。鋭利な爪を持ち人を持ち上げる事も可能。銃撃とタイマツの火で何匹かの個体を駆除する事が出来た。


巨大蜘蛛

The Mist (2007) (imdb.com)

タイマツの火で大やけどを負ったジョーの抗生物質を隣の薬局に取りに行った際に遭遇したクリーチャー。口から吐く糸は人体を溶かす強力なものだ。

襲われたMP(憲兵)の中に卵を産み付けており、それが一斉に孵化する姿はなかなかのグロテスクさ。


超巨大生物

The Mist (2007) (imdb.com)

ガス欠に陥り立ち往生するデヴィッド達の車を横切り、一同を絶望させた超巨大生物。

救いのないラストについて

店の周囲に蔓延る巨大生物や、人々を洗脳しつつあるミセス・カモーディから逃れるため、デヴィッドは息子のビリーとアマンダ達と店外への脱出を試みます。

その様子を察知したミセス・カモーディは「神へ背く行為」と彼らを非難し、ビリーを生贄として捉えるよう信者たちに命令します。

今にもビリーが連れ去られそうになる中、副店長オリーが人々を扇動するミセス・カモーディを射殺します。

店内は騒然としますが、その隙にデヴィッド達は店外に脱出する事に成功します。

途中、オリーら3人が怪物の餌食となりますが、デヴィッドとビリー、アマンダと老夫婦のダン、アイリーンの5人は車に乗り込むことに成功します。すぐそこに怪物が迫っていましたが、デヴィッドは命懸けでオリーが落とした銃を拾い、車を発進させました。

途中、デヴィッドは妻の安否を確認するため自宅に寄りますが、妻は蜘蛛の巣のようなものに覆われ絶命していました。

悲しみの中、デヴィッドは霧が晴れる事を願いながら5人の乗せる車を南に走らせるのでした。

しかし、一向に霧は晴れず、他の生存者も見つけられないまま車はガス欠となりました。

立ち往生する車の横を超巨大な怪物が横切ります。ここでデヴィッド達は全てを諦めるのでした。

デヴィッドはオリーの銃で息子を含めた全員を撃ち殺します。しかし自分を撃つための弾は残っていませんでした。

「僕を怪物に殺させないでね」という息子との約束を最悪の形で遂げたデヴィッドは半狂乱となり、怪物に喰われるため車外でわめき泣き叫ぶのでした。


しかし直後に霧は晴れていきます。そして霧の中から大量の軍人が現れ、その後ろでは救助された民間人を乗せたトラックが往来しています。

どうやら異次元への扉は閉ざされ、軍により怪物たちは駆逐されたようです。

しかし、悪夢から逃れるため息子までを殺めたデヴィッドにとってその事実は残酷なものでしかありませんでした。

The Mist (2007) (imdb.com)

軍のトラックの上には冒頭で子どものため一人で家に向かった女性が乗っていました。

泣き叫び発狂するデヴィッド見つめる憐れみに似た彼女の表情が印象的です。

5.感想

「鬱映画」の代表格と言われていますが、確かにかなり尾を引く辛いラストですね。

原作では、モーテルに逃れた主人公が手記に「”ホープ”という街に人々が避難しているというラジオの声を聞いた」と記し終わるそうです。つまり希望を示唆したラストになっているんです。

この映画のラストはフランク・ダラボン監督が考案し、原作者のキングが称賛したそうです。

スーパーマーケットに残り、ミセス・カモーディの言う「神の罰」にじっと甘んじる人々と希望に縋り店外へ脱出したデヴィッド達の対比が印象的です。

大抵は希望を信じ行動した者が救われるのですが、真逆の結末は衝撃的でした。

(冒頭の子どものために一人帰宅した女性は無事でしたが…)


本作は絶望的なラストシーンが注目されがちですが、「モンスター映画」として非常にレベルが高いです。

モンスターの造形も良いですし、スーパーマーケットで怪物と対峙するシチュエーションも素晴らしいです。ロメロの『ゾンビ』もそうですが、豊富な物資がある環境での籠城ってなんかワクワクしますね。

また絶望的な状況で人間が何に縋るかという心理描写も素晴らしいです。

ところで「アローヘッド計画」の目的については描かれていませんでしたね。

何でしょう。軍も絡んでるので生物兵器か何かですかね。


コメント

タイトルとURLをコピーしました