あらすじ・解説『ジェーン・ドウの解剖』

制昨年2016年
制作国アメリカ
監督アンドレ・ウーヴレダル
主な出演者 エミール・ハーシュ
ブライアン・コックス
オルウェン・ケリー
上映時間86分
総合評価6/10

作品概要

殺人事件の現場から発見された身元不明の死体ジェーン・ドゥ(英語圏で名無しの権兵衛の意)は、遺体安置所と火葬場を営むトミーとその息子オースティンの元へ運ばれるのであった。

検死を進めるうちに明るみにでる衝撃の事実。様々な怪奇現象が親子を襲うのであった。

登場人物(キャスト)

ジェーン・ドゥ(オルウェン・ケリー)

The Autopsy of Jane Doe Official Trailer 2 (2016) – Emile Hirsch Movie – YouTube

身元不明の死体ジェーン・ドゥ。彼女の死体は様々な災いをもたらす事になる。


トミー・ティルデン (ブライアン・コックス)

The Autopsy of Jane Doe (2016) (imdb.com)

代々遺体安置所と火葬場を営んでいる。数年前に妻を亡くした。ジェーン・ドゥの検死を行う。


オースティン・ティルデン(エミール・ハーシュ)

The Autopsy of Jane Doe (2016) (imdb.com)

父のトミーとジェーン・ドゥの検死を行う。

『イントゥ・ザ・ワイルド』(2007)や『スピードレーサー』(2008)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)等に出演するエミール・ハーシュが演じた。


エマ(オフィリア・ラヴィボンド)

The Autopsy of Jane Doe (2016) (imdb.com)

オースティンの恋人役エマ。彼には検視官の仕事を辞めて欲しがっている。

あらすじと解説

あらすじ ~災いをもたらすジェーン・ドゥの解剖~

検死解剖の仕事を終えようとしていたトミーとオースティンの親子。オースティンはこの後、恋人のエマとデートの約束をしていました。

しかしバーク保安官により運ばれた遺体”ジェーン・ドゥ”を今晩中に検死してくれという依頼が舞い込みます。トミーは「俺一人で大丈夫だぞ」と言いますが、オースティンは父を手伝う事にします。

遺体を検死解剖したトミーとオースティンは奇妙な点に気づきます。

  • 身体に一切の外傷がないにも関わらず両手首・足首が粉砕骨折していた
  • 死後硬直がしていない
  • 骨格に対しウエストが細すぎる
  • 爪にはアメリカ北東部由来の泥炭が付着
  • 舌が切り取られていた
The Autopsy of Jane Doe (2016) (imdb.com)

父のトミーは、過去の人身売買の事例を引き合いに出し、逃げないよう両手足をきつく拘束され、声を出せないよう舌を切られたのではと考察します。彼女を売春の被害者だと考えたのです。

しかし、検視を進めていくと左下の歯が抜けている事が分かり、更に口の中から長い糸が出てきました。

陰部を調べると、精液等の付着は見られませんでしたが内部がズタズタに傷つけられていました。

そして検死は第2段階の身体を切開し内臓の確認に移ります。


トニーがY字型に身体を切り開くと死体から血が流れました。比較的新しい死体から出血がある事はありますが、ここまでの出血は珍しいようです。

身体を切り開いていくうちに新たな発見がありました。

  • 肺がひどく焼け焦げ損傷していた
  • 心臓等の臓器も切り傷で損傷していた
  • 麻酔に使用されるアメリカ北東部由来の花が胃から検出された
  • 胃の中から儀式について書かれたような布が出てき、そこに歯がくるまれていた
  • 皮膚の内側にも同様に何か儀式について書かれた文字が刻まれていた
The Autopsy of Jane Doe (2016) (imdb.com)

外傷もなく内臓に損傷が見られる死体は説明がつきません。

二人は彼女は何かの儀式や生贄となり、苦しみながら殺されたのではと考えます。

そんな中、チューニングが狂いだしたラジオから『心を明るく照らしましょう』と歌う曲が流れます。

この歌がまた不気味なんです…

不気味に思ったオースティンが「ヤバい!逃げよう!」と叫ぶと同時に部屋の電気が全て割れ、館内は停電となります。必死に逃げる親子二人ですが、停電でエレベーターは動かず嵐で木が倒れ、出口は塞がれています。

事務所に行き、保安官に助けを求める電話をしますが電話が遠く声が届きません。

すると安置していた遺体が館内を徘徊し、トミー達に襲い掛かろうとしました。遺体の脚につけた鈴の音が不気味に響きます。

「ジェーン・ドゥを解剖しようとして呪われたんだ」。そう考えた親子は彼女の解剖を諦め、彼女の死体を火葬しようとします。しかし火葬場までの道を徘徊する遺体が塞いでいます。

オースティンは検死台の上で彼女に火を放ちますが、炎は勢いよく彼女から離れ天井を焼きます。必死に消火しましたが、彼女の死体には傷ひとつありませんでした。

The Autopsy of Jane Doe (2016) (imdb.com)

二人はエレベーターが動く音を聞き逃げ出そうとします。エレベーターの到着を待つ親子は遺体の鈴の音を聞きます。

斧を構えるトミーは息子を守るため、暗闇から迫る何かに斧を振り下ろします。

しかしその相手は帰りの遅いオースティンを心配し、館内に来ていた恋人のエマでした。

トミーは狼狽え、オースティンは恋人の死を嘆きます。しかしオースティンは父を非難する事はせず、ジェーン・ドゥの暴走を止めるため解剖を続け、死因を突き止めようと言います。

検死室に戻った二人は彼女の脳を調べ、衝撃的な事実を目の当たりにするのです。

彼女の脳細胞は活発に動いていました。つまりジェーン・ドゥはまだ生きていたのです。

「どうりで死因が分からないわけだ」と呟く二人は彼女の正体を突き止めるのでした。

ジェーン・ドゥの正体とは

彼女の胃から出てきた謎の文字が書かれた布を4つに折りたたむと、「レビ記 20章27節」という文字と1693年という文字が読み取れました。

男または女で、口寄せ、または占いをする者は、必ず殺されなければならない。すなわち、石で撃ち殺さなければならない。その血は彼らに帰するであろう

レビ記より引用

その内容は”死刑”についてのものでした。そして1693年はセイラムの魔女裁判が行われ、魔女と疑われた多くの女性が処刑された年です。

セイラム魔女裁判は17世紀のニューイングランド(現在のアメリカ北東部)で行われていました。これで泥炭の付着や地域由来の花が胃から検出された理由も説明が付きます。ウェストの異常な細さも時代背景を踏まえコルセットを着用していた事が分かります。

そう、ジェーン・ドゥは魔女狩りで犠牲になった17世紀の女性だったのです。

二人は魔女狩りの犠牲となった女性に何らかの儀式が施され、悪魔となったのだと結論付けました。

彼女が同じ苦しみを無差別的に誰かに味合わせようとしていると考えたトミーはジェーン・ドゥに「息子を傷つけないでくれ。復讐は私は受ける」と告げます。

すると、トミーの両手両足首は粉砕し、肺は焼かれてしまいました。ジェーン・ドゥの遺体と同様、外傷はありません。オースティンは苦しむ父を楽にさせようとメスでとどめを刺します。

トミーは死に、解剖されたジェーン・ドゥの身体は元に戻っていきました。


電力が戻り、外からバーク保安官の「出口を塞いでいる木を切ってやる」という声が聞こえます。

出口に向かうオースティンですが、例の『心を明るく照らしましょう』の歌が聞こえます。そして振り返ると父トミーの亡霊が立っていました。

驚いたオースティンは階段から転落死します。


その後ジェーン・ドゥの死体はバージニア・コモンウェルス大学へ運ばれます。

ジェーン・ドゥを運ぶ車のラジオから『心を明るく照らしましょう』が流れます。

彼女の復讐がまだ続く事を示唆し作品が終了するのでした。

感想

物語の大半が検死室で進むホラー映画。

魔女狩りの犠牲となった17世紀の女性に悪魔の力が宿り、死体となり復讐を行うという話ですね。

解剖シーンは臓器がモロなので、結構グロイです。

“魔女狩り”や”儀式”等、かなりオカルトなキーワードも登場しますが、嵐やラジオの演出が密室での恐怖を上手く駆り立ており、ホラー映画としておもしろい作品だと思います。

本作のテーマ曲ともいえるMcGuire Sistersが歌う 『Open Up Your Heart (And Let The Sun Shine In)』(1955)が作品の不気味さを際立出せていますね…

それにしても、90分間全裸で死体役を演じるジェーン・ドゥ役のオルウェン・ケリーに脱帽です。

うーん。普通に美人さんです。

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