映画『ハイテンション』解説 仏発のスプラッターホラー

制作年2003年
制作国フランス
監督アレクサンドル・アジャ
主な出演者   セシル・ドゥ・フランス
マイウェン・ル・ベスコ  
上映時間91分
総合評価7/10

1.作品概要

フランス発のスプラッターホラー。

本国では2003年の公開であったが、あまりに残虐な描写が多いため日本では公開が長い間見送られ、2006年に公開された。

この『ハイテンション』は、『屋敷女』、『マーターズ』『フロンティア』と並ぶフレンチホラー四天王の1作である。

2.登場人物/キャスト

マリー/ セシル・ドゥ・フランス

Haute tension (2003) (imdb.com)

勉強に専念すべく友人のアレックスの両親が暮らす田舎の一軒家に寝泊まりする事になった本作の主人公。

『80デイズ』(2004)や『ヒア アフター』(2010)への出演で知られる セシル・ドゥ・フランス が演じた。


アレックス/マイウェン・ル・ベスコ

Haute tension (2003) (imdb.com)

マリーの友人。勉強に集中させるべく彼女を両親の暮らす家に招いた。

マイウェン・ル・ベスコ は『フィフス・エレメント』(1996)で異星人オペラ歌手を演じた事が有名。

リュック・ベッソンの元嫁。2002年からはマイウェンとして活動している。


殺人鬼/フィリップ・ナオン

Haute tension (2003) (imdb.com)

田舎町の一軒家に現れた殺人鬼。顔が見えずその正体は謎めいている。

3.あらすじ

女子大生のマリー(セシル・ドゥ・フランス)と友人のアレックス(マイウェン・ル・ベスコ)は、アレックスの両親が住む田舎の一軒家で勉強合宿をすべく、車を走らせていました。

夜遅くに一軒家に到着した二人は両親に挨拶を済ませて眠りにつきます。

皆が寝静まった夜中に謎の男がドアをノックします。男は応対したアレックスの父親を殺害。その後、母親の喉をかっきり惨殺。最後はトウモロコシ畑に逃げた幼い子供を銃殺します。

ベッドの下に身を潜めた事で男に見つからず難を逃れていましたマリーは警察に通報しようとしますが、電話線が遮断されており連絡をする事ができません。

狼狽するマリーでしたが、友人のアレックスだけが殺されずに生きている事を知ります。しかし、縛られて猿ぐつわをされた彼女は男のトラックの荷台に乗せられ今にも連れ去られようとしています。

Haute tension (2003) (imdb.com)

「あいつを殺してでもあなたを助けるわ」。そう言ってマリーは荷台に潜り込み、殺人鬼に反撃するチャンスを伺う事にするのでした。

途中、殺人鬼は給油のためにガソリンスタンドに立ち寄りました。助かるための最後のチャンスとマリーは荷台を抜け出し店員に助けを求めますが、店員の動きを怪しんだ殺人鬼により斧で殺されてしまいまうのでした。

Haute tension (2003) (imdb.com)

マリーは隙を見て警察に通報しますが、トラックに乗っていたため自分の所在地が分からず上手く助けを呼ぶことができませんでした。そうしている間に殺人鬼はアレックスを乗せたトラックを発進させます。

「一刻も早く彼女を助けないと殺されてしまう」。マリーはガソリンスタンドに止まっていた車に乗り込み単身でアレックスを救うべくトラックを追跡します。

しかし、追跡は殺人鬼にバレていました。殺人鬼はマリーに覆いかぶさり彼女を殺そうとしますが、彼女は反撃に転じ、殺人鬼を殺します。

Haute tension (2003) (imdb.com)

アレックスが監禁される荷台に行き、「もう安心よ。全て終わったわ」と友人を解放するマリー。

しかし、アレックスは彼女に対し「近づかないで!この殺人鬼!」と叫ぶのでした。

4.解説 ※ネタバレ

実はマリーと殺人鬼は同一人物だったのです…!

一家を殺したのも、ガソリンスタンドの店員を殺したのも実はマリーなのでした。

彼女は多重人格者であり、殺人者は彼女の中のひとつの人格だったのです。

殺人鬼の男は存在せず、本作はマリーという本来の人格と殺人鬼の人格が交差しながら展開されていたのでした。

殺人鬼の人格の目的はアレックスを独り占めする事。ここからはマリーと死んだはずの殺人鬼の姿が切り替わりながら、「私を愛しているか」とチェーンソーを持ちながらアレックスに迫る緊迫のシーンが描かれています。

Haute tension (2003) (imdb.com)

「愛しています、愛しています!」と泣き叫ぶマリー。するとマリーはアレックスに近づきキスをします。激しい接吻を繰り返すマリーをアレックスは金属棒で突き刺します。

アレックスは刺されながらも「誰にも邪魔させない… 誰にも渡さない…」と囁きます。

そしてアレックスが手錠をかけられ精神病院に収監されているシーンで物語は幕を閉じるのでした。

5.感想

途中まで、よくある「田舎に行ったら殺人鬼に襲われました!」系のスプラッター映画かと思って鑑賞していましたが、殺人鬼の正体は多重人格者のマリーだったという大どんでん返しの展開には驚きでした。

確かに、拘束されるアレックスをすぐに助けず、「あなたを生かす気よ」と言ったり、首を切られたアレックスの母が電話を探すマリーを見て「なぜなの…」と呟いたりと、伏線ともとれるシーンが作中に散りばめられていましたね。

猿ぐつわをされたアレックスがマリーを見つめる表情も意味深でしたね。

しかし、マリーはなぜあそこまで友人のアレックスに固執したのでしょう。

シャワーを浴びるアレックスを見た後にベッドで自慰行為をしたり、「彼氏はつくらない」と言っていた事から、マリーはアレックスの事が好きだったと考えられます。

アレックスへの歪んだ愛があの殺人鬼の人格を創り上げていたと考えると恐ろしいですね…

スプラッター映画の中には”グロくしたもん勝ち”みたいな作品も見受けられますが、本作は内容的にも構成的にもしっかりとした完成度の高い作品でした。(まぁ本作もしっかりグロいですが…)

多重人格者を表す伏線を探すためにももう一度鑑賞したいなと思いました。

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