あらすじ・感想『ダークナイト』

制昨年2008年
制作国アメリカ
監督クリストファー・ノーラン
主な出演者 クリスチャン・ベイル
ヒース・レジャー
アーロン・エッカート
マイケル・ケイン
マギー・ギレンホール
ゲイリー・オールドマン
モーガン・フリーマン
上映時間152分
総合評価10/10

作品概要

クリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト・トリロジー」の2作目であり、『バットマン ビギンズ』(2005)の続編作品。

史上最悪のヴィラン、ジョーカーの出現に恐怖に陥いるゴッサムシティが描かれる。

ジョーカーを倒すため、バットマンはゴートン警部補や”光の騎士”こと地方検事のハービー・デントと手を組み立ち向かう。

『ダークナイト』撮影直後に亡くなったヒース・レジャーが演じたジョーカーは絶賛され、伝説的な存在となっている。

尚、本作は興行的に大成功を収め、批評家からも絶賛されにも関わらず、第81回アカデミー賞作品賞にノミネートされなかった。

この事は大きな批判を集め、翌年からの作品部門の候補枠を5作品から最大10作品まで拡大するきっかけとなった。

キャスト

ブルース・ウェイン/バットマン(クリスチャン・ベイル)

Dâku naito (2008) (imdb.com)

前作に引き続きブルース・ウェイン/バットマン役はクリスチャン・ベイルが務めた。

ハービー・デント/トゥーフェイス(アーロン・エッカート)

Dâku naito (2008) (imdb.com)

光の騎士(White knight)と呼ばれる正義の検事ハービー・デント『エリン・ブロコビッチ 』(2000)や『サンキュー・スモーキング』(2005)への出演で知られるアロン・エッカートが演じている。

レイチェル・ドーズ(マギー・ジレンホール)

Dâku naito (2008) (imdb.com)

ブルース・ウェインの幼馴染であり、ハービー・デントの恋人であるレイチェル・ドーズをケイティ・ホームズの降板に伴いマギー・ジレンホールが演じた。

弟は俳優のジェイク・ジレンホール。

ジョーカー(ヒース・レジャー)

Dâku naito (2008) (imdb.com)

本作のメインヴィランであるジョーカーを『ブロークバック・マウンテン』(2005)の演技で注目を集めていたヒース・レジャーが演じた。

ヒースはホテルに1か月間閉じこもり、ジョーカーの振る舞いや笑い方を創り上げる等、徹底的な役作りを行った。

結果、ジャック・ニコルソンが『バットマン』(1989)で演じたコミカルに誇張されたアメコミらしいジョーカーとは異なる狂気に満ち、人々を不安にさせる新たなジョーカー像を創造する事に成功した。

あらすじ

ジョーカーの登場

ゴッサムシティ銀行にて強盗が発生。

ピエロマスクを被った複数人が手際よく現金を回収しますが、互いが裏切り合い殺し合いを始めます。そして最後に残ったピエロマスクの男がスクールバスに乗り込み現場を後にします。

マスクをとり白塗りの素顔を露わにしたこの男はジョーカー(ヒース・レジャー)と呼ばれる犯罪者でした。ジョーカーは銀行から奪ったマフィアの裏資金を持ち、姿を眩ませるのでした。

Batman (1966) (imdb.com)
左が本作のピエロマスクを被ったジョーカー。このマスクデザインは1966年TVシリーズでシーザー・ロメロ演じたジョーカー(右)が被ったマスクのオマージュと言われてます。

この頃、ゴッサムシティではバットマン(クリスチャン・ベイル)やゴートン警部補(ゲイリー・オールドマン)、ハービー・デント検事(アーロン・エッカート)がゴッサムシティから犯罪をなくすため活動をしていました。

又、ウェイン産業では中国企業との合併事業の話があがり、代表であるラウとの会合を繰り返していましたが、ブルースはラウを信用せず気乗り薄な様子でした。

マフィアの摘発

ジョーカーが起こした強盗事件がきっかけに裏資金が明るみに出た事で、マフィアたちはマネーロンダリングを進めるべく会議を始めていました。

そこには表向きは実業家であるが、実態は犯罪組織のボスであるラウも香港に逃れる飛行機の中でかTV会議に参加していました。

そこに突如ジョーカーが乱入し、「計画を成功させるにはバットマンを殺す必要がある」「マフィアの資金半分で手を打つ」と通告します。

Dâku naito (2008) (imdb.com)

このジョーカーの大胆な行動にマフィアの幹部であるキャンボルは激怒し、ジョーカーに懸賞金を掛け殺害しようとしますが、後日死体の振りをして運び込まれたジョーカーに切り殺されてしまいます。

そうしてジョーカーは彼の組織を乗っ取る事に成功したのでした。

ジョーカーの犯罪はバットマンやゴードン、デントも認識していましたが、先ずはマフィアの摘発を優先していました。

重要人物であるラウの身柄を拘束する必要がありましたが、中国政府が外国に身柄を引き渡さない事を盾に彼は香港に逃れていました。

そこでバットマンは香港に行き、ラウを拉致。ゴッサムシティの警察署前に連れ帰るのでした。

Dâku naito (2008) (imdb.com)

ラウにマフィアについて不利な証言をさせる事で警察はマフィア549人を逮捕、裁判にかけることに成功したのでした。

ジョーカーの凶行

マフィアの摘発後、ジョーカーはバットマンの真似をしていた男を殺害し、バットマンに「素顔を見せなければ毎日人を殺す」脅しをかけます。

ジョーカーは宣言通りに、ローブ市警本部長や裁判長を次々と殺害するのでした。

そして次の標的は検事のハービー・デントであると宣言します。

ジョーカーはブルース主催のデントの資金集めパーティーに姿を現しますが、ブルースはすぐにハービーを別室に避難させ事なきを得ました。

変わりにレイチェルが人質となりますが、ブルースはバットマンに変身し彼女を助け、ジョーカーのハービー・デント殺害計画は失敗に終わります。(後日、ジョーカーはハービーとデントという一般市民を殺害)

次にジョーカーはゴッサム市長ガルシアの殺害を示唆し、演説中に警官に扮し市長を狙撃します。身を呈して市長を守ったゴードンはここで命を落としてしまいます。

ジョーカーによる殺人は止まらず、次のターゲットがレイチェルである事を危惧したデントはジョーカーの仲間である男を捕らえ、情報を得ようとします。

Dâku naito (2008) (imdb.com)

「コイントスの結果によってお前を殺す」と脅しをかけるデントの元にバットマンが現れ、彼の殺人を止めるのでした。

バットマンは「素顔のまま悪と闘うハービー・デントこそがゴッサムが求める真のヒーロー”光の騎士”である。ゴッサムは君に託す」と告げ、引退することを決意するのでした。

ジョーカーによる死の連鎖を断ち切るため、ブルースは翌日の記者会見で「バットマンの正体は自分である」と打ち明けようとしていました。

しかし記者会見でデントは唐突に「バットマンは自分だ」と宣言します。

ブルースの代わりに警察に連行されるデントでしたが、これはジョーカーをおびき寄せるための彼の作戦でした。

予想通りデントを乗せた護送車を襲うジョーカーをバットマンがバットポットに跨りチェイシングします。

Dâku naito (2008) (imdb.com)

途中、バットマンは窮地に陥りますが、そこに死んだはずのゴードン警部補が登場。

バットマンを助け、ジョーカーを逮捕します。ゴードンは家族を守るため死を偽っていたのでした。

ゴードンはこのお手柄で市警本部長まで出世します。

遂にジョーカーは逮捕されますが、ジョーカーに買収された警察官によりデントとレイチェルは拉致され監禁されてしまうのでした。

二人の居場所を聞き出すためになジョーカーを尋問する警察ですが、彼はなかなか口を割りません。

そこにバットマンが登場し、ジョーカーに激しい尋問を行います。

Dâku naito (2008) (imdb.com)

二人の監禁先には爆弾が仕掛けられており、タイムリミットは5分に迫っていました。いくら痛めつけても笑い続けるジョーカーへの尋問は困難を極めましたが、何とかデントとレイチェルの居場所を聞き出すことに成功しました。

そしてバットマンはレイチェルの元へ、ゴードンはデントの元へ急ぎますが、彼らの居場所は逆に伝えられており、バットマンが向かった先にはデントが居ました。

デントは「なぜレイチェルでなく俺を助けに来た!」とバットマンを非難します。

そして爆発が起き、レイチェルは死亡。ハービーは顔の半分を失う重傷を負います。

その惨事の裏でジョーカーは取調室に残った警察を人質にとった挙句、警察署で爆発を起こしラウを連れ逃亡していました。

トゥーフェイスの誕生とジョーカーとの決闘

この頃ウェイン産業の顧問弁護士リースがバットマンの真の正体を暴露しようと、テレビに出演していました。

正体が露見しバットマンがいなくなった世界を”退屈”と考えたジョーカーは口封じのため、市民にリースの殺害を命じ、それができなければ市内の病院を爆破していくと宣言します。

混乱に乗じジョーカーはナース姿でデントが入院する病院に登場し、レイチェルの死に関わった人間の復讐を炊きつけます。

Dâku naito (2008) (imdb.com)

レイチェルの死を嘆き、復讐を誓った”光の騎士”ハービー・デントはトゥーフェイスとなりました。そして、(ジョーカーに買収され)自分やレイチェルの誘拐に加担した警察官を射殺していきます。

街を混乱と恐怖に陥れたジョーカーはゴッサムシティの支配を宣言します。従わない市民はゴッサムシティから去るように命令しますが、「橋とトンネルに危険がある」と暗示したため、市民は身動きが取れない状況となってしまいました。

警察はフェリーで市民の避難と囚人に移送を始めますが、ジョーカーは市民と囚人が乗るフェリーにそれぞれ爆弾を仕掛けていました。

ジョーカーは告げます。

  • 定刻になると2隻のフェリーは爆発する
  • 両方のフェリーには片方のフェリーを爆破する起爆装置を置いている
  • 定刻までに一方のフェリーを爆破させれば、起爆装置を押した方は助かる

ジョーカーは卑劣な方法で市民の良心を試しました。「一般市民の我々は生きて当然。直ぐにスイッチを押すべきだ」、「囚人たちは直ぐにスイッチを押すのでは?」と乗員は混乱し、葛藤します。

いつスイッチが押されるか分からない状況で、通信を傍受していたバットマンはジョーカーの潜伏先のビルを特定しました。

ビルに突入し戦闘を繰り広げる間に、フェリー爆発の定刻を迎えます。

しかし、爆発は起こりませんでした。フェリーに乗る市民と囚人は互いを殺す事を拒否していたのです。

市民の選択に失望し、自ら起爆装置を作動しようとするジョーカーですが、間一髪でバットマンに取り押さえられ逮捕されるのでした。

その頃、デント(トゥーフェイス)はレイチェルが死をゴードンとその部下のせいであると考え、ゴードンの息子を誘拐します。

Dâku naito (2008) (imdb.com)

レイチェルが死んだ現場にゴードンを呼び出し、自分だけが愛する者を失った不公平を嘆き、ゴードンの息子ジミーに銃を向けますが、バッドマンがハービーに飛び掛かり、彼は転落死します。

ジョーカーは逮捕され、トゥーフェイスとなったデントは死にました。

これにて事態は収束したように思えましたが、ゴードンは「ジョーカーは正義の象徴であるハービーを悪に変えてしまった。市民は絶望し希望は消える。ジョーカーの勝ちだ」と嘆きます。

そこでバットマンは自らがデントが犯した殺人の罪を被る事でゴッサムの希望を守る事を告げます。

ハービー・デントは”光の騎士”のまま名誉の死を遂げた事となり、ゴッサムの希望は守られたのでした。

バットマンは警察の捜査から逃れるようバットポットでゴッサムシティを駆け抜け物語は幕を閉じます。

感想

非常に大人向けな作品だなと思いました。

個人的な意見ですが、バットマンシリーズ、いやアメコミ作品史上の最高傑作といっても過言ではないのではないでしょうか。

ジョーカーは殺人や爆破だけでなく、人間の善悪を試すような犯罪を次々と仕掛け、ゴッサムシティを混乱させます。イカれたジョーカーですが、彼の仕掛ける犯罪は非常に良く仕組まれていて、警察やバットマンの裏をかき続けます。

市民を巻き添えにジョーカーが街を混乱と恐怖に陥れる様子は完全にヒーロー映画の枠を超えています。本作は最高の悪役を携えた至高のクライム映画と言えるでしょう。

又、本作ではハービー・デント(トゥーフェイス)が悲劇を経験し悪に手を染めますが、バットマンが彼の罪を被る事でデントは”街の英雄”のまま絶命します。

ジョーカーを倒す=勝利ではなく、市民の希望であったハービー・デントの名誉を守る事で、ゴッサムシティの希望を守った。これがジョーカーへの勝利であるという解釈は非常に深いなと感じました。

罪をかぶり姿を消すバットマン。光の騎士と暗黒の騎士(ダークナイト)の対比は非常に痺れました。

ヒース・レジャー演じるジョーカーの素晴らしさは言わずもがなですが、コインの如く、善と悪で揺れるハービー・デント検事を演じたアーロン・エッカートも素晴らしかったと思います。

トミー・リー・ジョーンズ演じる『バットマン リターンズ』(1995)のぶっ飛んだトゥーフェイスも面白かったですけどね…

闇に葬られた真実と姿を消したバットマンについては次回作『ダークナイト ライジング』(2012)で描かれています。

それにしてもクリストファー・ノーラン監督作品は見応えがありますね。

コメント

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